勝手に、香川照之まつり開催中だったのですが、友人から
「照之好きなのに、"
彼女が死んじゃった"観てないなんてダメ!」
と、教育的指導を受けてしまった・・・^^;
このドラマ、2004年に日テレで放映されたもの。
長瀬智也主演で、木村佳乃、深田恭子、香川照之を核に、毎回
多彩なゲストが出てくる、あの一色伸幸が脚本の作品だ。
当時、気にはなっていながらも、ちょうど韓国ドラマにハマり出した
ころで、日本ドラマをほとんど見なくなっていた時期・・・・。
失敗した・・・・よ、こんなにいい作品が日本ドラマにあったとは!!!
そして、5年ぶりに観てもまったく古くない。
いや・・・・久々にいいドラマを観た。教えてくれた友人に感謝せねば^^
脚本家の一色 伸幸の地元が鎌倉なこともあり、ロケ地は
湘南・鎌倉の美しい景色。
地元感満載なところもなかなか味わい深い。
一流のタップダンサーを目指しながらも数々の挫折を繰り返し、
自暴自棄状態のほぼプー太郎のハジメ(長瀬智也)。毎日違う
女と寝ることで、偽りのアイデンティティを保っているという
ろくでもない状態。そんなハジメがある夜、ラブホテルの待合室
で、ゆかり(木村佳乃)という女と出会う。
ハジメにとってはいつもと同じワンナイトスタンドな女・・・・。
のつもりだったのに、10日後、ゆかりの妹玲子(深田恭子)
がハジメの元を訪ねてきて、「姉が自殺した」と告げる。
遺書も何もない謎の死を遂げたゆかり。なぜ、ゆかりは死んだのか?
その謎の手がかりになるのは、ゆかりが使っていた携帯の履歴
のみ。ゆかりの携帯アドレスを頼りに、玲子とハジメ、さらに自称
ゆかりの婚約者・良夫(香川照之)の3人は、アドレスに載っている
ゆかりとつながる人たちを訪ねて行く。そして、彼女の死の理由を
探りながら、実は、"自分が生きていくこと"も見出していく。
作品としては、映画"嫌われ松子の一生"とちょっと似ている。
死の真相を探る中で、彼女の生きた証が、彼女とつながっていた人
たちから次々と見えてくることになる。
でも決して、死を賛美した作りにはしてない。死んでしまったゆかり
に対して、3人は3人なりに生きていくことの意味を確認し、ゆかりに
それを投げかけていく。その作業が非常に哲学的であり、情緒的
で、泣かせるのだ。
湘南という狭いエリアの話だけど、ロードムービーっぽい作り方に
なっているのもおもしろい。
いや~、長瀬はなかなかかっちょいい。
でも、やっぱり照之はこのドラマでも鬼才を放っていた^^;
照之が演じる良夫は、うんちく野郎で超まじめ。何かにつけて、豆
知識を披露するため、ハジメからは"豆知識さん"と呼ばれている。
この豆知識が本当におもしろい^^。何度馬鹿笑いしたことか!
本当にダメダメなんだけど、愛すべきキャラクター。
長瀬との掛け合いは絶妙です^^
そして、ななななんと陣内孝則との濃厚なキスシーンまで満載^^;
あ、でも、おもしろいだけでなく、泣けるんですよ、良夫ぉぉぉT~T
ダメダメな良夫は、自分がゆかりに、友達以上に思われていない
こともきちんと自覚していて、その上で死んでしまった彼女に対して
「死ぬ気で、死ぬ気になって僕と付き合えば死なずに済んだのに」と
言いながら泣くのですよ、これはさすがにもらい泣きしちまいました。
でもまぁ、生きることって、愛されるものに身を簡単にゆだねることも
できなかったりするわけで・・・。良夫はそこもわかっているから、
余計切ないんだけど・・・T~T
でも、本当はゆかり、良夫のポイントかなり高かったんじゃないかな。
「太陽が爆発した最後の8分に吉川良夫を押し倒す」と良夫にささやく
場面があるんだけど、この言葉、愛がなくちゃいえないからね^^
(太陽が爆発しても地球が破壊されるまでには、距離的問題で、
8分の誤差が生じるらしいのですよ。豆知識によると^^;。その8分
で何をするか、という質問に対して、彼女が言った言葉なんだけど、
これがなんともいいシーンなのですよ^^)
話は違うが、今年に入って、私の仕事も未曾有の大不況で、大変な
ことになっている。ばあさんになるまでできる仕事だと思い込んでい
たけど、来年はないかもしれない、なんてマジで思って青くなる・・・。
昨晩、歓送迎会があって、業界の衰退をみんなで憂いて反省もし、
ちょっとシリアスモードに。そのあと、電車に乗ろうとしたら、人身事故
が2度もあって、同僚と「生きていくことって、本当にハードコアだよね」
としみじみ話したばかり・・・・。
まさにこのドラマはそんなハードコアな人生がテーマだ。
ハードコアだけど生きなくてはいけない、のではなくて、
生きることはハードコアなんだ、ということ。
死を考えるのではなく、生きている者たちがゆかりを通して、自分の"生"
を考えた物語だと思う。
いや、マジでお勧めっす!
ひとつひとつのセリフが気が利いていて染みます。
物語の核となる歌があるのですが、それがまた味わい深く、なかなか
染みます。バンドマン役で出演する岡田浩暉が歌っている。ドラマ
の中では、木村佳乃バージョンもあって、これもまた染みる。
これが巷で名曲と言われた"5:55"
youtube探ったら、中国字幕でアップされていたわ~^^;