5年後の今
"勝手に香川照之まつり"開催を聞きつけ(どうやって^^?)、
兄から貢物が郵送で届いた。
兄は、能歌舞伎狂言をはじめとした古典芸能からオペラ、舞台、
映画と暇さえあれば、観まくっていて、趣味貧乏なおっさんだ。
当然独身・・・・。趣味以外には金を使わないのだから当然ちゃ
当然の結果・・・^^; まぁ、私も同類ですけど・・・^^;
ただ、兄が勧めてくれる映画や舞台はハズレがない。
身内だけど、そこらへんの映画評論家よりも密かに信頼している。
そんな兄は、かなり前から香川照之に着目していた。
澤瀉屋の血を引くってあたりも気になるのかもしれないけど。

で、兄が送ってきてくれたのが、この本。
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「"そびゆる白頭山"は、きっとあなたも共感するはずだよ」
とメモが入っていた。



この"日本魅録"(日本キネマ旬報社刊)という本は、雑誌"キネマ旬報"
に香川照之が2003年から連載しているコラム(コラムと呼ぶには、
毎回2P連載なので、何と呼ぼう^^;)で、現在まで続いている。
彼の高学歴な部分を語るのはあまり好きではないが、文章を読むと
非常に緻密な表現が多く、彼が東大文学部の社会心理学を卒業して
いることが納得できちゃったりする。
だって、俳優はあんまり"パラドキシカル"なんて言葉使わんでしょ^^;
俳優じゃなくても使わないよ・・・・^^;

まぁ、それはさておき。ここ2年ぐらいの彼の文章は、キネ旬で読んでい
たんだけど、過去のものを読んでいなかった。この本は、2003~2005
年春までを1冊にまとめたものだ。
内容は、毎回違い彼の映画やドラマ、舞台の現場での出来事や共演
した俳優のことなどが彼の視点で描かれていて非常におもしろい。
松嶋菜々子とか、彼がベタほめしていて、「えええ??ホントか?」と
思ったりするが、そんな彼の視点でもう一回彼女を観てみようかなぁ、
と思ってしまう・・・。

で、兄のメモ書きにあった、暗号のような"そびゆる白頭山"。
なんじゃろう? 白頭山??はて? 
頂上に美しいカルデラ湖が広がる北朝鮮と中国の国境にある朝鮮半島
を象徴する山だ。密かに登ってみたいと思っていたりするが、そんなこと
兄は知らないはず・・・。はて? と、思ったら本の中のひとつのコラムの
タイトルだった。
香川照之がこのコラムを書いたのは、2004年9月上旬。
"冬ソナ"からはじまった韓流ブームを彼なりの視点で痛快に批判している。
物心ついたころからボクシング好きだった、香川照之にとって、"韓国"と
いう国は、強いボクシング選手の宝庫。日本選手ががんばっても勝てない
恐ろしい底力がある国。幼いころからオタク気質が強かった、香川少年は、
敵チームである韓国チームがなぜ強いのかを探り始める。選手の名前
をすべて覚え、試合をすべて観て・・・。しまいには、敵チームであるはず
なのに、韓国の愛国歌まで口ずさめるようになってしまったという。

海をへだてた先にある小国がなぜ、そんなにも力強いのか・・・。
香川少年の韓国へのなぞは日増しに肥大する。
ときは、80年代。韓国はソウル五輪に向かって国も経済も人々も驚異
的に活気があった時代。そんな思いを抱き続け、彼が感じ続けた韓国
独特のアクの強さを彼は「血のパワー」と表現している。

どの国にも占領や戦争など不当な歴史がある、としつつも、「鬼が来た!」
や日本上映が中止になった「ジョン・ラーベ」などに出演する彼らしく、
日本の"戦争"や"社会派"と"芸術"の融合のなさを指摘している。
韓国には、血のパワーから社会派と芸術が融合する力が残っている。
でも、日本のメディアは、韓国映画の表面的な部分しか紹介しない。
ヨン様だって、白い歯で笑っているが、白い歯の裏では、腹に煮えた
ぎる虎を飼っていて、血のパワーが流れていることにメディアが気づ
いていない、と言い放っていた。よくぞ言ったぞ!!

さすがは、「鬼が来た!」で、何日間も本当に麻袋に入れられていた男
ならではの発言だ。

彼がこれを書いた2004年から5年が経過した。
でも、今だに韓国映画の本質はなかなかメディアは伝えてはくれない。
逆に、韓流ブームが去って、いい作品はますます上映されなくなり、
DVD化もされなくなってしまった。
香川照之が指摘する"本当の韓国を観てない"まま、今に至ってしまっ
たような気がする。
5年御の今、韓流ブームってなんだったのかなぁ、と改めて考えてし
まった・・・・。

ちなみに、"そびゆる白頭山"はちなみに、大韓民国の国歌に出てくる
フレーズでした・・・・^^; 幼き頃に覚えた愛国歌のフレーズをタイトル
にしたわけね・・・。なる~^^

他に、"父子924"は彼の生い立ちへの想いを知り、泣きまひたT~T

あ、忘れとった! あんちゃん、さんくす♪
by narannoruja | 2009-07-04 17:30 | yomoyama@enta
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