夕方、赤坂から乃木坂のトンネルを越えて、
青山のblunoteの通りに向って車を走らせて
いた。そうしたら、トンネルを抜けるあたりから
大渋滞。通りを観ると下の通りから青山墓地を
取り囲むように、長蛇の列。警備の人もたくさん
いたので、撮影かなにかをしているのかな? と
思っていました。でも、よく観ると、みんな黒っぽい
服を着ていて、??? とにかく、すごい数の人が
下の外苑東通りに向って並んでいるわけです。
車の前を横切った人が持っていたパンフレットというか紙を見て、
ZARD坂井泉水の"しのぶ会"の参列者だということがわかり
ました。私は、彼女の歌が流行していたころに、R&BやHIP
HOPにメチャメチャかぶれていて、日本のドメドメ音楽をほとん
ど聴いていなかったので、彼女に対する印象は残念ながら
まったく持っていません。強いて言うなら、「24時間テレビ」
の24時間マラソンでみんなが歌って応援する歌を歌っている
人、という印象だけでした。
事故死のニュース報道を見て、彼女がそんなに人気があった
人だったんだ、と知ったぐらいでした。
でも今日、参列している人を目の当たりにして、その数の多さ
に本当に驚きました。中には泣いている人もいたりして・・・。
それをみて、歌が持つ力というのはすごいんだな、といい年して
青臭いのですが、改めて感じてしまったのでした。
だって、彼女は、TVにも出ない、たまにライブをやるだけで、
あとはCDのみの活動と言うスタイル。ということは本当に
ファンは"歌のみ"で彼女と繋がっていた(美人だからルックス
目当ての男性もいたかもしれませんが)ということになるわけで。
でも、そのつながりがファンにとってはこんなにも大事なんだな、
と蒸し暑い中、たくさん並ぶファンを観て、なんだか妙にしみじみ
しちゃったのでした。
"歌の力"っていうのは、本当に不思議なものだな、と。
学生時代大好きだった男の顔は忘れても、その男のことで悩んで
聴いた歌は今でも、海馬にビシッと記憶されて残っているし^^;
おばあちゃんのディテールは曖昧にしか残っていなくても、
おばあちゃんが歌ってくれた歌を聴くと、なんだかおばあちゃんの
匂いや当時の触感まで思い出したりするし・・・。
どんな名台詞や筋が通った論評よりも、歌のほうが、心にスッと
入ってきて記憶されちゃうのはなんでなんだろうなぁ~と・・・。
私もルーサーが亡くなったとき、ジェラルド・リバートのときも、
ジェームス・ブラウンのときも、なんだか無性に悲しくて、
彼らの曲ばかり聴いて、友達と追悼酒盛りなどをして、
あのときのルーサーはあーだこうだ、リバートメチャメチャ
エロかったよね~、と、熱く盛り上がったりして。
本当に、ルーサーなんて会ったこともないし、リバートも
JBもライブを観ただけだっていうのに・・・^^;
青山墓地の裏通りでそんなことを思い起こさせる出来事でした。
彼女のことはよく知らないけど・・・・、歌の力に、合掌。